世界 · 読了 1 分
バチカンからも注文が来ました。南極からも。
これまでに202の国と地域から注文が届きました。そのうち十八か所はちょうど一回だけ注文しており、その中にはバチカン、スヴァールバル、東ティモール、そして南極が含まれます。

執筆 Arthur
公開日 2026年9月24日
これまでに202の国と地域から注文が届いています。大企業の資料に出てきそうな数字ですが、実際はもっと地味で、そのぶん面白い話です。そのうち十八か所はちょうど一回きり、一人、一件の注文で、その後は二度と現れませんでした。顔ぶれはバチカン、スヴァールバル、東ティモール、コモロ、ノーフォーク島、レソト、オーランド諸島、そして南極です。
欲望の地理はかなり偏っている
| グループ | 国の数 | 注文数 | 全体比 |
|---|---|---|---|
| 上位10か国 | 10 | 22,878 | 68.6% |
| 11位から50位 | 40 | 8,475 | 25.4% |
| 51位から120位 | 70 | 1,697 | 5.1% |
| 121位から202位 | 82 | 324 | 1.0% |
2026年9月21日時点で配送先の国が判別できた33,374件の注文です。国は入力された住所を当社のジオコーダーに通して得ています。
十か国だけで全体の三分の二以上を占めます。反対の端では、82か国を合わせても注文の1%に届かず、そのすべてが米国の混んだ午後一回分にすっぽり収まります。世界向けの店なら必ず持つ曲線ですが、ひとつ違うのは、ここでは誰も国際送料を払ってこのリストに載ったわけではないという点です。残るのは純粋な欲だけです。
南極がここに入った理由
謎めかすより説明したほうがよいでしょう。その注文の住所は、普通の通りの名前のうしろにAntarcticaと打ち込まれていて、うちのジオコーダーは文句も言わずに受け取り、氷の大陸にピンを立てました。品物は一点だけ。その人が観測基地にいるのか、書いてみたら面白かっただけなのかは分かりませんが、どちらの可能性も同じくらい気に入っています。
バチカンは世界でいちばん小さな主権国家で、それでも注文が来ました。スヴァールバルは北極圏の群島です。ノーフォーク島は太平洋の真ん中にある小さな領域です。どれもデータの誤りではありません。何も請求しない店には市場がなく、あるのは到達範囲だけだという、その形がそのまま出ているだけです。
裾野は英語で買っている
リストの末尾82か国では、324件のうち265件、つまり81.8%が英語版で注文されています。自分の言語版がないとき、人は去るのではなく英語のまま買います。だからこそ新しい言語を一つ足すたびに地図が描き変わります。需要は翻訳より前から存在していて、英語の中に隠れていただけなのです。
十か国が注文の68.6%を作り、別の82か国が1%を作ります。裾野は家賃を払ってくれませんが、欲しい気持ちに住所がないことを証明してくれます。
もしあなたがバチカンの、南極の、あるいはスヴァールバルのあの一人なら、注文はここに残っていますし、その架空の旅も他の誰かと同じ手間をかけて組み立てました。誰かは当然明かしません。ただ、気づいていたことだけは伝えておくのが筋だと思いました。